働きながら大学で学ぶ、あるいは自分のライフスタイルに合わせて学び続けたいと考える人にとって、従来の通学制とは異なる学び方が選択肢として認知されるようになってきた。その方法の一つが、在宅や自分の都合で授業を受けることができる通信制大学である。通信制大学は、高等学校卒業後すぐに通学する若年層だけでなく、既に社会に出ている社会人や、子育てや介護、転勤などの様々な都合で定時制や昼間部に通学できない人々に門戸が開かれている。通信制大学は、郵送やインターネットなどを通じて教材や課題が届けられ、定められた単位を取得することで卒業資格を得ることができるシステムである。学部や学科の選択肢も幅広く、共通して基礎的な知識を身につける科目から、専門性の高い内容に至るまで多様な分野が揃っている。

経済学や心理学、教育学、法学、福祉系の科目など、多様な選択肢が通信制の強みの一つである。日本の高等教育において通信制が正式に制度化されたのは第二次世界大戦後である。その目的は、教育機会の均等化や成人の再教育を可能にすることであった。従来まとめられた「通学による教育」に頼らずとも、自分のペースで着実に学び進めることができる通信制大学は、学校教育法でも正規の大学教育の一形態として認められている。これにより、いわゆる学士号の取得も可能となる。

近年、インターネットの普及に伴い、通信制大学の教育も大きく進化している。従来はレポートやテキストの郵送が主であったが、オンライン授業や講義動画の配信、ウェブ上でのディスカッションが行えるようになった。一方で単位取得や卒業に際しては、対面によるスクーリングや試験の受験も必要となる場合も多い。全過程を完全にオンラインで終えることができる学科はまだ限定的ではあるが、地理的な制約が大きく取り払われ、海外や過疎地に住む人でも進学がしやすくなった。通信制大学を選ぶ人の動機は多様である。

社会人としてキャリアアップや資格取得、転職を目指すケースや、かつて進学の機会に恵まれなかったため再挑戦するケース、さらには教養を深めたい、中途退学から再度学び直したいといった理由が挙げられる。特に教員免許や福祉・カウンセリング系の資格取得を目的とするケースも多い。このような動機によって、同じ通信制大学を選択する仲間同士でも目標や関心分野が異なり、多様な交流が生まれている。多くの通信制大学では、学費が通学制に比べて抑えめに設定されている場合が多い。そのため経済的な負担を減らしながら学士号の取得や専門知識の習得が可能になる。

この点も、進学コストを重要視する社会人や非正規雇用者、主婦層などにとって大きなメリットである。また、入学時期が柔軟に設定されている場合も多く、一定の学歴さえあれば年齢や職歴を問わず進学できる門戸の広さが特徴となっている。通信制大学の教育には自律的な学習習慣と自己管理能力が求められる。自宅学習が主体となるため、時間のやり繰りや継続的なモチベーション維持は非常に重要とされる。一方で、困ったときのサポートや、定期的な学習相談会を設ける仕組みが整っている大学も増えており、一人きりで孤独に勉強するだけではない。

また、スクーリングや実習など、面接授業も設けられており、他の学生や指導教員と直接触れ合う機会もある。通信制ならではの課題も存在する。進学後、自己管理ができず課題が積み重なってしまい途中で挫折する人、生活や仕事との両立が想像以上に難しいと感じる人もいる。また、通学制の大学に比べると学生同士や教員とのつながりが希薄になりやすく、情報交換や交流機会の不足を感じる場合もある。しかし、それらを乗り越えたとき、自己学習能力や自律性が高まり、学ぶ姿勢そのものが人生の財産となることが評価されている。

通信制大学の卒業生は、多彩な進路を歩んでいる。就職や転職はもちろん、大学院進学や海外留学を果たす人もいれば、学んだ知識を社会活動やボランティア活動、地域貢献に役立てているケースもある。また、家庭や地域社会でのリーダー的役割を担うきっかけとなる場合もある。進学による知識や資格は新しい可能性を切り拓く原動力であり、通信制大学を選択することで得られる柔軟な学びと多様な学習者の存在が、未来の社会を支える重要な意義を持っている。今後の高等教育においては、高齢化や多様化する社会の中で生涯学び続ける力がいっそう求められる。

通信制大学は、そうした現代のニーズに柔軟に応え得る新たな進学形態の一つとして、多くの人々に開かれた貴重な教育の場である。個々の目標やライフステージに合わせて大学教育を受けられるこのシステムは、自分で道を切り拓き、学びと成長を続けたいと考える全ての人に大きなチャンスとなっている。通信制大学は、働く社会人や子育て・介護といった多様な事情を抱えた人々が、自分のペースで学び続けることを可能にする新しい高等教育の形態として広がりを見せている。従来の通学制大学とは異なり、インターネットや郵送を活用して教材を受け取り、オンライン授業やウェブ上でのディスカッションも発展している。経済学や心理学、福祉、法学など幅広い分野を自宅で学べる点や、学費が比較的低く抑えられている点も、多くの人に支持される理由である。

学習者はキャリアアップや資格取得、教養の深化など様々な目的を持ち、背景も年齢層も多様であり、その中で交流や刺激が生まれている。一方、自己管理能力や学習習慣の定着が求められ、生活や仕事との両立に苦労し挫折する人も少なくない。しかし、近年はサポート体制や相談窓口も充実し、孤独になりにくい仕組み作りが進んでいる。通信制大学の卒業生は就職や転職、大学院進学、地域社会活動など多彩な進路で活躍し、その学びが人生の財産となっている。人口の高齢化や多様化が進む中、生涯学び続けるための柔軟かつ実践的な進学手段として、通信制大学は今後ますます重要な役割を果たすことが期待されている。

投稿者 Gionata